14:35

二度目のサイレン。(一度目は反対車線で行き過ぎた。)救急車がやっと到着した。
『。。やっと来た。。救急車は六分くらいで来るはずなのに。。。エライ時間かかったな。。』
救急隊員が僕の周りを取り囲み僕を仰向けにひっくり返した。事故後はじめて見る空は、眩しすぎて真っ白に見えた。僕は手際よく搬送用のストレッチャーに載せられる。。。
救急隊員は僕の意識を保とうとしているのか、しきりに話しかけてくる。
「お名前教えていただけますか?」
「っ。。○○。。です。。」。。。『てか、(救急隊員の)顔近っ。。。』
ずっと話しかけられていても、意識を保ち続けるのは大変で、すぐに意識が遠くなる。。。
『このまま寝たら楽だろうなぁ。。でも寝たら死んじゃうのかなぁ。。聞いてみよう。。。』
「。。眠い。。」
「はいっ」
「。。。寝てもいいですか?」
「。。。だめです。絶対に起きていてください。」
その声は非常に力強く、『寝たら死ぬんだ。。』という意識と同時に、生きる力を与えられた様な気がした。
『生きる。絶対に生きてやる。』
『。。たとえ生き残っても傷害が残るだろうな。。下半身不随くらいかなぁ。。』
『。。。。それでも生きてやろう。細切れになっても生きてやるんだ。』
このときどうしてそれほど強く生きようと決心できたのか、きっと今までたくさん「幸せ」だったからでしょう。この先待ちかまえるたくさんの「苦しみ」をも覚悟したうえで、もう少し生きて「幸せ」を感じたかったのだと思います。

この続きはまた後日。